絵の描き方は自由です。
綿密に下描きをしてから丁寧に色を置いていく人もいれば、全く下描きをせずに感じるがままに筆を走らせる人もいます。
重要なのは、自分がどんな絵を描きたいか、ということ。
目の前にある花をきれいに描きたいのか、言葉に出来ない今の気持ちを表現したいのか、もしくは頭の中に浮かんだ景色を絵として見てみたいのか。
目的によって、描く方法も違ってきます。
人によっても違います。
ですから、これが一番いい方法、というものは存在しません。
しかし、自分が描きたいものを描くには、どんな方法をとればいいか、ということはなかなか判るものではありません。
いろいろな方法を試して、ようやくこれかな? という描き方が見えてきます。
今回は、わたしが今やっている絵の描き方をお伝えします。
道具
下描きを描くときに使う物は、
- 紙(本番用)
- 6B鉛筆
- 2B鉛筆
- 練り消し(描いた線がうっすら残る)
- 消しゴム(線を完全に消せる)
です。
これは主に、水彩やアクリルで絵を描くときの下描きに使用します。
鉛筆の濃さは6Bや2Bでなくとも結構です。
濃い鉛筆と、それほど濃くない鉛筆の組み合わせで使いやすい物を選んでください。
油彩の場合は、最初からキャンバスに描くより、別の紙に下絵を描いた方がやりやすいです。
鉛筆で描いたとしても、キャンバス上で修正するのは手間がかかります。
あらかじめモチーフの配置や形を認識していた方が、迷いが少なくなって早く描けます。
モチーフを決める
はじめに何を描くかを決めます。
静物を描くのであれば、描きたい物を調達します。
描きたい物が写真であれば、その写真を大きめに印刷した物を。
空想であれば、目を瞑ってイメージを固めます。
静物の場合、リンゴを描くのであれば、メインのリンゴを2、3個用意しましょう。
それで寂しければ、賑やかしに何か別の物を添えると構図も決めやすくなりますよ。
メインで描く対象は1つより、複数あった方が描きやすいです。
1つだと、それ一個だけでリンゴ感を出さないといけませんが、複数あればそれぞれにリンゴ感が薄くても、全体としてリンゴであると分かってもらいやすくなります。
構図を決める
静物の場合は、実際に机に配置して試行錯誤します。
写真の場合、描きたい写真の色はいったん忘れます。
構図だけ、形だけを見て、面白いか考えてみます。
その中で、省いた方がいい部分や足りないと思う部分を消したり、加えたりして調整しましょう。
空想で描く場合は、本番用の紙に描く前に、一度コピー用紙などに何度かラフを描きます。
そうして大体の構図を決めるとともに、自分の中のイメージをできるだけ固めていきます。
最初は全体を決める
構図が決まったら、本番用の紙に描いていきます。
紙は真っ白な状態ですから、最初は全体の配置・構図を決めます。
はじめから細かい部分を描き始めると、全体のバランスが狂ってしまいやすくなります。
まずは、6Bの鉛筆(濃い鉛筆)で薄く全体の配置を描きます。
このとき、鉛筆はふんわり優しく持って、薄く描くようにしてください。
ここで書く線は、後で消す線です。
配置の描き方は、リンゴはこことここ、バナナはここ、などを丸や長丸で描く程度でOKです。
配置が描けたら、少しずつ細部を描いていきます。
変わらず、濃い鉛筆で薄く描いてください。
細部を決める
構図が決まり、物の向きや特徴を簡単に描いたら細部を決めていきます。
ここでは2Bの鉛筆(薄い鉛筆)を使います。
先ほどと変わらず、薄めに描いていきますが、輪郭など細かいところを決めていきます。
また、いらない線を消して、できるだけ画面をきれいにします。
いらない線を消すときは、練り消しや消しゴムを使います。
ごちゃごちゃした線を整理したいときは、練り消しで薄くしてから少し濃いめに線を入れ、周りを消しゴムで消します。
このとき、後で透明水彩を使うときは、輪郭線を薄めにしておきます。
逆に、アクリルや不透明水彩で塗る場合は、輪郭線を濃いめにして簡単に消えないようにします。
消しゴムをかけて下描き完成
最後に、輪郭線以外を完全に消してしまいましょう。
何度かチェックして、余計な線がなければ下描き完成です。
水張りをする場合、下描きをしてから行ってもいいですし、あらかじめ水張りして乾かした紙に描いてもOKです。
下描きが出来たら、色を置いていきましょう。