特別展 皇室の名宝

現在、京都国立博物館で開催されている『御即位記念 特別展 皇室の名宝』!
宮内庁三の丸尚蔵館所蔵物を中心に、普段目にすることができない名品を鑑賞する絶好の機会です。

特に伊藤若冲の代表作である『動植綵絵』は、とても有名なのに中々見られないシリーズなのです!

今回は展覧会に行ってきた筆者が、特別展の見所とおすすめ作品をご紹介します。
なお、この展覧会は事前予約制です。来場される方は、予約されることをおすすめします。




展覧会について

御即位記念 特別展 皇室の名宝』は即位記念に、宮内庁の所蔵品を中心に、数々の名品の展覧会です。
なんと京都でまとまった数を公開するのは初めてとのこと!

場所:京都国立博物館
期間:2020年10月10日(土)〜11月23日(月)
時間:9時30分〜18時(入館は17時30分まで)

前期後期で一部の作品が入れ替わります。
前期:2020年10月10日(土)~11月1日(日)
後期:2020年11月3日(火)~11月23日(月)

今回は事前予約制

今回の展覧会は事前予約制になっています。
公式サイトの予約ページから、日時指定券+観覧セット券を購入する必要があります。

当日券も若干あるそうですが、初日に並んでいると当日券を求める人が多かったので、予約券を購入する方が安全だと思います。

会場の様子

初日に行ったところ、開場前は少し並んでいました。
9時半の開場時間前に建物には入れましたが、そこでも並んで一定人数ずつ展示室に行ける形になっていました。

展示室に入ってからはとてもスムーズでした。
人が圧倒的に少ない!
常設展を見に来たんだっけ? と勘違いするくらいじっくり鑑賞できます。

通常こういう特別展は、芋を洗うような混雑の中で立ち止まることもできないことが多いです。
自分のペースで鑑賞できるのはとても貴重な機会かもしれません。

見所とおすすめ作品

宮内庁三の丸尚蔵館の作品が数多く展示されているだけあって、とても豪華です。
有名な作品もたくさん見ることができます。

今回は、書・絵巻・屏風・掛け軸がメインの展示内容でした。

特に書や絵巻は横に長いので、他の美術館等では一部だけ広げて見せてくれる、ということが多いです。
しかし、京都国立博物館は展示スペースが横に広いので、書や蒔絵の全体を広げて展示されています。
端から端まで見られるのはとても嬉しいです!

それでは、個人的な見所・おすすめ作品をご紹介します。

伊藤若冲の動植綵絵

今回の展示では、伊藤若冲の動植綵絵のうち8作品を見ることができます。
(前期4作品、後期4作品に分かれています)
前期で展示されていたのは、雪中鴛鴦図、郡鶏図、薔薇小禽図、老松白鳳図の4つ。

どれも繊細で美しい作品なので、単眼鏡を持っている方は是非細部を観察してください。
人数制限で人が少ないので、時間をかけて見るチャンスですよ!
ずっと真ん前に陣取るのはアレなので、じっくり見たい場合は少し斜に立った方が良いかもしれません。

雪中鴛鴦図

雪中鴛鴦図

雪の中のオシドリを描いた作品です。

雪の色にも墨が混じっているのか、実際に真っ白な部分はほんの一部のみ。
それなのに白い雪景色を感じさせるのは、さすが若冲という感じですね。

郡鶏図

郡鶏図

たくさんの鶏を13羽も描いた作品です。

若冲の他の作品にも言えることですが、とにかく細かい。
よくここまで描いたな…。と誰でも思うでしょう。
鶏と鶏の境界も丁寧に描かれていて粗が見えません。

羽の黒は濡れているように美しいです。
トサカの赤の中には、小さな粒々が描かれているようでした。

単眼鏡でじっくり観察している人がいた作品です。
私は持っていないのでちょっと羨ましかった…。

薔薇小禽図

薔薇小禽図

薔薇がデザインのように散りばめられている作品です。
右上の黒っぽい粒々の部分はなんだろう、と見てみると、コケっぽいものが描かれていたので他の木のようでした。

相変わらず薔薇などの細部の描き込みがすごいのに、構図がダイナミックで圧倒されます。

前期の若冲作品のイチオシです。

老松白鳳図

老松白鳳図

妙に艶かしい鳳凰が描かれている印象的な作品です。

白鳳の描き込みは白一色の様なので、おそらく日本画で使う胡粉(ごふん)だけで描いたのだともいます。
白一色しか使っていないのに、描き込みの細かさだけでゴージャスな鳳凰を表現するのはすごいです。

若冲の魅力はダイナミックな構図の中の異様なまでの描き込みと、色のコントラストだと思うのですが、それらが特に感じられる作品ですね。




屏風

今回は屏風も豪華なものが多くて、鑑賞しがいがあります。
その中でも特におすすめな作品をピックアップしました。

  • 源氏物語図屏風(狩野探幽筆・前期のみ)
  • 群獣図屏風(円山応挙筆・前期のみ)
  • 明正天皇即位図・行幸図屏風(前期のみ)

源氏物語図屏風

狩野探幽による源氏物語図屏風。

屏風の作品ですが、絵巻を散りばめたように繊細で美しく豪華です。
源氏物語を、物語として見せてくれる屏風ですね。

屏風には背景に置くのが相応しいものと、それ自体が主役のものがあるように思います。
この作品は後者、これ自体が主役です。
だからと言って屏風だけ悪目立ちするような感じはありません。
部屋に置けば、屏風の前に座った人々や部屋全体を煌びやかなものに変えてくれるような作品です。

群獣図屏風

円山応挙による屏風で、様々な動物たちが描かれた墨の作品です。
迫力のある作品ですが、若冲とは違った繊細さがあります。

動物はどれも愛らしく、その中でも特に虎がとても可愛いです。
いかつく見栄を切っているのですが、丸っこさが何とも言えないですね!

今回の展覧会は動物が可愛らしく描かれた作品が少ないので、貴重な癒しポイントです。

明正天皇即位図・行幸図屏風

こちらは天皇の即位の儀式を描いた屏風です。
儀式の行列やそれを見物する人々を、空から見下ろす形で描かれています。

役人たちが真面目に参列しているのに対して、見物の人々(庶民?)は好き勝手に楽しんでいる様子がとても良いです。
見物人の中におしゃべりしている人達が何人かいるのですが、別の見物人に静かにするよう怒られたりしていて面白いですよ。

源氏物語画帖

こちらは源氏物語のワンシーンの絵と書が、それぞれA4に近い大きさに描かれています。
絵巻が切り貼りされているような感じで、物語性があって面白いです。
(元は絵巻だったのかな?)

絵は繊細かつ金がたくさん使われているようで、とても豪華!

(絵 土佐光吉・長次郎筆、詞書 後陽成天皇)

絵巻

今回の見所の一つ、絵巻です!
広い展示スペースで見る絵巻は、やはりとても良いですね!

絵巻はいくつもあるのですが、ここで紹介するのは3つ。

春日権現験記絵巻(絵 高階隆兼筆、詞書 鷹司基忠 ほか筆)
小栗判官絵巻(岩佐又兵衛筆)
絵師草紙(前期のみ)

春日権現験記絵巻、小栗判官絵巻

春日権現験記絵巻は2018年に修復されているのでとても綺麗です。
小栗判官絵巻も同じくらい綺麗です。こちらも最近修復されたのかな?

どちらも細部まで色鮮やかに、丁寧に描かれた作品です。
また、金が多く使われているようでとっても豪華!
絵としての完成度の高い作品です。

ちなみに、ネットで画像検索しても、今の綺麗な状態の画像は見当たりませんでした。
綺麗な春日権現験記絵巻と小栗判官絵巻を見るには、特別展に足を運ぶしかありませんね!

絵師草紙

絵師草紙

こちらは一人の絵師の物語を描いた絵巻です。
これまでの豪華な作品とは違って色も薄い感じなのですが、なんとも魅力的な作品です。

絵巻は酒宴の場面から始まります。
それが何とも楽しげで、その時代の人々の暮らしを覗いている気分になれのです。
人物たちも澄まし顔ではなく、好き勝手に動いていて見ていて楽しい。

個人的には前期展示で一番好きな作品です。
展示会場に入って初めの方、書の次に展示されている作品ですので、特別展に行かれる際は是非見てくださいね!

物販コーナー

特別展での別の楽しみでもあるグッズコーナーです。
いつものように図録、ポストカード、一筆箋、マスキングテープに加えて、今回はマスクケースが仲間入り。
時事に対する対応が早い!

図録以外は公式オンラインショップでも購入可能になっています。

相変わらず一筆箋がかわいいんですよね。
昨今はなかなか使いどころがないのが残念です。

特別展への入場が予約制になっている関係で、物販コーナーも人が少ないです。
展示室は人が少ない方が見やすくて良いのですが、物販コーナーは人が多い方が楽しいので少し寂しいですね。

まとめ

『御即位記念 特別展 皇室の名宝』について、絵巻や屏風、掛け軸を中心にご紹介しました。

この記事は絵にかたよった内容となってしまいましたが、特別展では書も多く見ることができますよ。
また、数は少ないですが礼服や冠、琵琶も展示されています。

ここでは紹介できなかった魅力的な作品も数多く展示されています。
三の丸尚蔵館の品々を見られる機会はなかなか無いので、気になる方は来場されることをおすすめします!