空の湖 | The Lake in the Sky

『空の湖』“The Lake in the Sky” F6

油絵具を使って絵を描くのはとても楽しいです。

水彩やアクリルと違う、油独特のベタベタとした緩い粘土のような感じや、様々な要望に応えてくれる懐の深さは虜になってしまいます。

しかし、油絵具は水彩などと使い方が違うため、初心者の頃は

「どう使ったらいいのか?」

という所で止まってしまうことが多いです。

 

今回は、モチーフ選びから下描きまで、わたしが油絵を描くときのやり方をお伝えします。

 

モチーフを選ぶ

油絵に限らず、絵を描くときに重要なのはモチーフ選びです。

実物を見ながら描くのか、写真から描き起こすのか、全くの空想から描くのか。

どんなモチーフでもかまいません。

ただし、モチーフによって重要な点は異なります。

 

実物を見て描く場合

果物やガラス瓶から花などなど、実物の美しさを引き出すために、モチーフはよく選んでください。

形はどうか、色艶はどうか…。

油絵を描く間、モチーフをじっと見つめます。

できるだけ気に入った物、すぐに飽きないような物を選びましょう。

絵を描く際の天敵は「飽き」です。

モチベーションの低下こそ、恐れるものです。

 

これだ! というモチーフが選べたら、机の上に配置します。

そのときも、下に布をひいたり、布の柄や位置にも拘ってみましょう。

椅子に座って眺めたときに、これ以上良い置き方はない! と思えたら、モチーフの配置は完璧です。

 

写真を見て描く場合

写真を使って描く場合に大切なのは、写真に引きずられないことです。

写実性で絵が写真に勝つことは難しいです。

本物のような絵を描くには、やはり本物を見ながら描く方がらしくなります。

写真だと捉えきれない部分や、分からない写り方をしている部分が、実物だとはっきり見極められるからです。

 

また、写真の美しさは、その色にもあります。

特にパソコンのディスプレイで見ると、水色や黄緑、ピンクや紫などの中間色が非常に美しく見えます。

ディスプレイは光の三原色で表現されますから、透明感のある中間色が得意です。

 

それに対して、油絵具は色の三原色で表します。

光の三原色とは得意な分野が違います。

また、油絵具では表現できない色もあります。

逆に、油絵具でないと出せない色や質感もあります。

 

写真をそのまま描こうとすると、油絵具のいいところを見つける前に、「写真通りに描けない…」ということに苦しんでしまうのです。

 

写真を見て描くときは、まず、色を忘れてください

写真の形だけを見て、面白い形になっているか、構図のバランスはどうか、考えてください。

形に不満があるところは、自分の手で変えていくことになります。

また、写真の色はあくまでヒントです。

そのヒントを見ながら、油絵具を使って魅力的な作品を作りましょう。

 

空想で描く場合

空想を元に描く場合、重要なのは

「いかに曖昧なイメージを具体化させるか」

というところです。

 

ふと、頭にイメージが浮かんだとき、それ自体はとてもぼんやりしています。

でも、ぼんやりしているままに描くことは出来ません。

 

空想のものを描く際は、できるだけ何度も思い起こして細部を決めていってください。

大まかな配置や色、空気、雰囲気といったものを大事にしながら、少しずつ詰めていきます。

描く前の段階で、隅々まで決める必要はありませんが、できるだけしっかりイメージ出来るようにしておきましょう。

 

 

ラフを描く

キャンバスに描き始める前に、紙にラフを描いていきます。

 

キャンバスに直接描いてもいいのですが、鉛筆で描いた場合、絵具で描いていくときに鉛筆の粉で画面が汚れてしまいます。

アクリルや油絵具で描き始めることも出来ますが、修正するのに時間がかかります。

 

最初に一枚でもラフを描いておくと、作品のイメージが固まります。

また、そのモチーフを描く練習にもなりますので、キャンバスに描くときにスムーズに進められます。

 

なお、モチーフを空想で描く場合は、ある程度イメージが固まるまで、何枚かラフを描くことをおすすめします。

 

アクリル絵具で下塗り

ラフが描けたら、キャンバスとアクリル絵具を用意します。

そして、ラフを参考にしながら、モチーフを見て実際に描いていきます。

このとき、キャンバスの編み目のでこぼこがなくならないように

厚塗りにならないようにしてください。

アクリルで描く目的は、乾燥の早い絵具で構図や形を決めてしまうことで、油絵具での作業を楽にすることです。

 

アクリル絵具で最後まで描いてしまうとアクリル画になってしまいますから、

(それもいいですが)

構図が決まった!

と思ったら、アクリル絵具はしまって、キャンバスをよくよく乾かしてください

 

アクリル絵具が手元にない場合は、鉛筆でもかまいません。

ただし、あまり濃くならないようにしてください。

 

他にもソフトパステルで下描きする方法もあります。

いろいろ試してみるのも面白いですよ。

 

おわりに

今回は、油絵具を使う一歩手前、準備段階をご紹介しました。

次の記事から、実際に油絵具を使う方法をお伝えしていきたいと思います。

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