W&Nとシュミンケホラダムの透明水彩絵の具

「透明水彩を買いに行ったら、チューブと固形の絵の具があった」
「どっちを買えば良いんだろう?」
固形絵の具がいいのか、チューブ絵の具かというのは、多くの人を悩ませてきた問題です。

今回は水彩作家の目線から、固形とチューブのどちらを買った方が良いのか、
また、どう使い分けるべきかをご紹介します。




固形の特徴

W&Nとシュミンケホラダムの透明水彩絵の具
透明水彩の固形絵の具は、乾燥してカチカチになった絵の具の塊です。
写真のように小さなプラスチックのケースに入っています。

大きさは指の第一関節まで位で、結構小さいです。
ハーフパンと呼ばれることもあり、これの二倍の大きさの物がフルパンと呼ばれます。日本ではハーフパンが一般的なサイズですね。

固形絵の具は、チューブ絵の具を乾燥させたものです。
顔料などの原料はチューブの物と同じです。

カチカチに固まっていますが、濡らした筆で触ると絵の具が溶け出します。
使う時は、必要なだけ溶かして使います。
チューブのように毎回パレットに絞り出す必要がないので、準備も片付けもとても楽です。

楽というのは、絵を描く上でとても重要なのです。
「さあ、描くぞ!」と意気込んでも、その準備が面倒だとやる気がしぼんでしまいますからね。

値段は高め

乾燥させる手間があるため、固形はチューブより少し値段が高いです。
コストパフォーマンスを考えると、チューブの方が良いのは確かです。

ただ透明水彩というのは、すごく長持ちする画材なのですよね。
私が数年前に買った固形の中にも、まだ使い切っていない色がいくつもあります。

大量に使うのでなければ、値段の違いは気にしなくていいんじゃないかな?
というのが個人的な感想です。

並べるときれい

固形絵の具は、可愛らしい形をしています。
それをパレットに並べると「透明水彩やってるな〜」としみじみ感じます。

「気分の問題か!」
と言われるとそれまでなのですが、気分を上げる=自分をその気にさせるというのは、結構大切なのです。
絵を描くときにモチベーションを上げられると、それだけ集中して取り組むことができますからね。

チューブの特徴

W&Nとシュミンケホラダムの透明水彩絵の具

一般的に絵の具、といえばこのチューブ絵の具が思い浮かびます。
透明水彩のチューブは、他の絵の具より一回りサイズが小さいです。
小指の先から第二関節くらいまでの大きさしかありません。
結構可愛い大きさですね。

値段が安い

チューブ絵の具の最大のメリットは、固形より安いという点です。

固形は作る過程で水分が抜けるので、そのままの大きさを比較することはできません。
それでもチューブの中身を出して乾燥させると固形より大きいので、やはりこちらの方がお得です。

面倒

チューブ絵の具は、毎回パレットに絞り出さないといけないので、少々面倒です。

透明水彩はパレットに出した絵の具が乾いてしまっても、何度でも溶かせます。
少し多めに出しておいて、それを使い切ってから補充するようにすれば、毎回絵の具を出す手間は減らせます。

だからといってチューブの中身を全てパレットに出すのは、あまりおすすめできません。
メーカーにもよりますが、チューブを乾燥させた絵の具は溶けにくかったり、均等に溶けないで顔料の粒子が残ったりすることがあります。

ただ、メーカーによっては固形絵の具でも同じことが起きてしまうので、難しいところです…。

チューブの中で固まることも

キャップをきちんと閉めていても、絵の具がチューブの中で固まってしまうことがあります。
よっぽど放置していた場合ですけれどね。

透明水彩は一回に使う量が少ないため、何年も同じチューブを使い続けることがよくあります。また、画材屋さんで何年も眠っていたチューブは、初めから絵の具がかためだったりします。
そうなると、チューブの中で絵の具が固まる確率が上がるので、早めに使い切りたいものです。

もし固まってしまった時は、チューブを開いて中身だけ取り出して使っちゃいましょう。




どっちを選ぶべき!?

結局のところ、固形とチューブのどちらが良いのでしょうか?
経験から言うと、状況によって使い分けることをオススメします!

すぐ無くなる色はチューブ

よく使う色や、一度にたくさん使う色は、チューブで買う方が経済的です。
消費が早い色なら、チューブの中で固まってしまう心配もありません。
すぐ無くなる色を固形で買うと、やはり少しもったいない気持ちになってしまいますからね。

またチューブであれば、海外の画材屋さんから大容量タイプを取り寄せることもできます。

あまり減らない色は固形

あまり使わない色や初めて買う色は、固形にする方がいいですね。
特に初めて買う色は、自分がどれくらい使うのか分かりません。
まずは固形で買ってみて、すぐ無くなるようならチューブで買うようにするのがオススメです。

メーカーによって溶けやすさが違う

実は、固形絵の具はメーカーや色によって溶けやすさが違います。

例えば、大手ブランドであるシュミンケ・ホラダム の固形は、驚くほどよく溶けます。
(その分高いですが…)
このブランドは、チューブを乾燥させてもきれいに溶けます。
チューブから固形を作りたい方は、シュミンケのチューブをオススメします。

反対に、メーカーによってはなかなか溶けない色があったりします。私自身、全く溶けない色に当たったことがあります。
他の色は溶けたので、おそらくハズレを引いてしまったのだと思いますが…。

まとめ

今回は、固形とチューブ絵の具の特徴と、その使い分けについてご紹介しました。

固形もチューブも良いところと悩ましいところがあって、どちらの方が優れているとは言えません。
もし、どちらにするか迷っていたら

  • よく使う色・一度にたくさん使う色 → チューブ
  • あまり使わない色・初めて買う色  → 固形

このようにすると、両方の良い所を生かして使えますよ。
固形かチューブか悩んだときに参考にしてみてくださいね。