蘇の透明水彩イラスト

こんにちは、北原 千です。

「蘇」ってご存知ですか?
飛鳥時代から平安時代にかけて食べられていた貴族のお菓子です。
聖徳太子も食べていたとかいないとか……。

平安時代のお菓子?
この令和の時代に?

そう思われるかもしれません。
しかし、なかなか面白い魅力的なお菓子なんですよ。

今回はこの「蘇」を作って、さらに透明水彩で描いてみます。
レシピだけでなく、透明水彩で描くときのコツもまとめているので、
「蘇を食べたい!」
という時や、
「蘇を描いてみたい!」
なんて時に参考にしてみてくださいね。

蘇ってなに?

蘇は、飛鳥時代〜平安時代の貴族のお菓子です。
と書きましたが、具体的にはどういったものなのでしょう。

実は、牛乳を煮詰めただけのとってもシンプルなお菓子です。

平安時代や貴族という単語でわくわくしていると、ちょっと拍子抜けかもしれませんね。
しかしながらこのお菓子、レシピの単純さに似合わず美味しいのです。

原材料は牛乳だけ。
煮詰めるのに少し時間がかかりますが、なかなか楽しい作業ですよ。

それでは、牛乳を買うためにお店に走りましょう!

蘇を作ってみた

牛乳を買ってきたら、

  • フライパン
  • 木べら

を用意しましょう。

牛乳の量は多すぎなければ大丈夫です。
今回は1リットル使いました。
牛乳が多いとたくさん作れますが、それだけ煮詰める時間もかかるので、最初は少ない分量がいいかもしれません。

鍋で作ることもできますが、牛乳を煮詰める過程で焦げ付きが起こりやすいので、テフロン加工の方が失敗しにくいです。

とにかくかき混ぜる

フライパンに牛乳を入れる

フライパンに牛乳1リットルを入れたら、強火で熱しながらかき混ぜます。
かきまぜ続けるのが大変という場合は、弱火にして時々かきまぜます。
(弱火だと煮詰めるのに時間がかかってしまうので、注意です)

沸騰したら、強火よりの中火にして更にかき混ぜます。
暇だと思うので、ラジオや動画を聴きながら作ってもいいかもしれません。
ただ、火を使っているので画面は見ないようにしましょうね。
手元が狂うと危険です。

煮詰まってきたら弱火にする

30分〜40分ほどかき混ぜていると、水分が蒸発して牛乳がもったりしてきます。
蘇になってきました!
木べらで混ぜた時に、フライパンの底が見えるくらい煮詰まってきたら、弱火にします。

ここからが勝負。
更に、煮詰まるに連れてどんどん木べらが重くなっていきます。
ですが、負けずにかき混ぜ続けましょう!
のんびりしていたら焦げ付いてしまいます。

牛乳はもはや液体ではなく、パン生地のように固体になってきます。
木べらで、しっかりした固体にまとめられるようになったら、蘇の誕生です。

フライパンの中の蘇

牛乳1リットルだと、おおよそ50分かかりました。

ラップで包んで冷蔵庫へ

フライパンの蘇が冷めたら、ラップで包んで冷蔵庫で冷やしましょう。
冷えたら適当な大きさに切って出来上がり!
なお、蘇は傷みやすいので、早めに食べきるようにしてくださいね。

蘇を描いてみた(透明水彩)

冷蔵庫に入れた蘇がいい具合に冷えたら、待ちに待ったお絵かきの時間です。
切り分けてからお皿に盛りつけ、描きやすいようにテーブルの上に配置します。

配置は描き始める前に決めてしまいましょう。
描いている途中に動かすと、角度や位置が変わって上手く描けなくなってしまいます。

使った画材

今回、蘇を描くために使った画材は、

  • 透明水彩絵の具
  • スケッチブック(モンヴァルキャンソンのF0サイズ)
  • ミリペン(0.3ミリ)
  • 鉛筆(2B)
  • マスキングテープ(画材用)

です。

透明水彩で使用した色は、こちらの9色です。

○シュミンケホラダム
ジョンブリアン・ダーク
トランスペアレント・オレンジ

○レンブラント
ガンボージ

○W&N
カドミウムレモン
カドミウムレッド
バーントシエンナ
インディアン・レッド
フレンチ・ウルトラマリン
ウィンザー・ヴァイオレット

ただ、同系色も多く使っているので、以下の5色があれば十分描けます。

カドミウムレモン(もしくはイエロー)
カドミウムレッド
バーントシエンナ
フレンチウルトラマリン
ウィンザー・ヴァイオレット

線画を描く

まずは、線画から描いていきましょう。
いきなりペンで描き始めるのもいいですが、失敗すると修正できないので、最初に鉛筆で下書きをします。

下書きに使う鉛筆の濃さは何でもOKです。
今回はペン入れ後に下書きを消すので、消えやすい柔らかめの鉛筆(2B)を使っています。

  1. 大まかに形をとる
  2. 細部を描く
  3. ミリペンでペン入れする

の順番で描いていきましょう。

はじめに蘇のあたりを取ります。
スケッチブックに、楕円形で蘇を描いてみましょう。
それから、スライスされた部分や細かな凹凸を描きます。
このように、大きさを決めてから細部を描くようにすると、絵がスケッチブックをはみ出ることを防げます。

蘇の下書き

鉛筆の下書きができました。

次はペン入れです。

ミリペンで下書きの線をなぞります。
この時、同じ太さの線で描くより、線に強弱をつけたり、途切れさせたりするとそれっぽく見えますよ。

蘇の線画

ペン入れができたら、線画は完成です。
鉛筆の線は消しておきましょう。

透明水彩で色を塗る

線画ができたら、楽しい色塗りの時間です!

と、その前に、マスキングテープで簡単な水張りをしてしまいましょう。
マスキングテープをスケッチブックの4辺に貼り付けます。
こうすると、紙が濡れた時に波打つのを防ぐことができます。

それでは、絵の具を用意して描いていきます。
透明水彩で色を塗るときは、薄い色から塗っていきます。
今回は、モチーフの蘇が全体的に黄色っぽいので、薄い黄色から塗ります。

カドミウムレモンを薄く溶いて全体に塗り、「ここは赤色っぽいかな? ここはオレンジかな?」と感じる部分に、他の色を差していきましょう。

スライスした断面など、他とは色が違うところを塗るときは、一度紙を乾かしてから色を置くようにします。

蘇の水彩イラストの途中

おおかた出来てきたら、蘇の暗くなっている部分や陰を塗ります。
暗くなっている部分には、主にバーントシエンナやインディアンレッド。
陰にはウィンザー・ヴァイオレットとフレンチ・ウルトラマリンを塗りました。

最後にしっかり乾かして、蘇の水彩画の完成です〜。

蘇の透明水彩イラスト

絵を描くコツは、「焦らず、よく見て、楽しんで」です。

食べてみた

ようやく実食!
長かったですね……。

さて味の方はというと、牛乳100%ですが牛乳臭さはありません。
濃厚なミルクキャンディーを食べているような感じです。
ほんのりですが、甘さもあります。
ただ、お菓子だと思って食べると、甘さが物足りないかもしれませんね。

食感はしっとりした、ベタつきのない硬めの生地のような感じです。
濃厚な風味ですが、甘さがあっさりしているのでパクパク食べられてしまいます。
もっと甘さが欲しいときは、はちみつをかけると美味しいですよ。

まとめ

今回は、幻の(?)スイーツである蘇を作って、描いて、食べてみました。
蘇を作る人はいても、描く人はあまりいないのではないでしょうか。
作り方も描き方もシンプルなので、変わったことをしてみたい時におすすめです。

多くの場合、人々は美しいものや感動的なものを表すために絵を描きます。
しかし、よくわからないものを描いたっていいのです。

すごい理由は要りません。

「なんとなく蘇が描きたくなったから」

周りの人が知らない「これって何の絵?」と聞かれるような絵を描くのも楽しいですよ。